私はふと思ったのです。騒音についてかなり勘違いされているなと。
騒音被害者が受けている騒音の中には、騒音基準を下回るものも多くあります。しかしデシベルが低い音でも、振動音や突発音、衝撃音は不快なもの。足音や金属音、打音などです。
そもそもあの騒音基準も緩すぎる気がしますが、基準を下回るからと軽視されすぎな気がするのでここに現実を記します。
「db」デシベル(音圧レベル)のみによる測定の間違い
騒音の基準は「db(デシベル)」という単位であらわされます。
実際は音の世界では「音圧レベル」といういい方をするようです。
で、行政や国の規制基準ではその「デシベル」が使われて、一定以上になったら対策を指導するという感じになっています。
だから、「めちゃくちゃ不快な騒音」だと思ってもデシベルを測ると全然規制値に満たないと、その規制法には頼れないし、場合によってはだいぶ軽視されて、「その程度で文句言うな」「ただのクレーマーか」となることもある。
そうやってデジベルを測っても値が低ければ軽視されるけど、実際はデシベル計で測るような音の大きさ以外にも、「音の質」の問題があるんですよね。
例えば突発的な衝撃音とか振動を伴う音とかです。
不快な音
不快な音とそうでない音
どれだけ「騒音」と思った音でも、実際測ってみると50db台なんてざらです。(まあそれでも十分日常生活としては大きいですが…)
でもね、こういう突発的な衝撃音や振動を伴う周波の音って、
めちゃくちゃ不快なんですよね。
雨の音って全然不快じゃないですよね。大雨であっても。
でもあれって、しとしと雨が大体40db台で、「普通に降ってるなー」と感じる雨音は50~60db以上あるんですよ。エアコンの音も50dbと言われます。
でもこれらに共通するのは、「衝撃音」「振動音」「突発音」ではないという点なのですよね。
では、例えばどういったものが不快なのか。一例を出してみましょう。
- 自動車騒音
- 航空機騒音
- 2,3人程度の人の声
- 搬入音
- 扉を閉める音
- 上階の足音
- 金属音
- 打音
これらは体験したことがある方なら違いは一目瞭然ですね。不快極まりない音です。でもデシベル計で測ると大体40db~60dbが多く、下手したら40以下の時もあります。
もちろん航空機や自動車騒音、窓を閉める音は場所によっては70db以上いくのですが…
「衝撃音」について
衝撃音は例えばですね。
- 打音
- 金属音
- 物を落とす音
- トラック走行中に荷台が段差で跳ねる音
- 搬入音
- 扉を閉める音
などですね。
一番わかりやすいものでは「びっくりする音」。
もっと幅を広げて言えば「耳を打つ音」。ですね。
うちの前には工場があって、なぜか作業場がこっちの住宅地に向いているのでよく悩まされるのですが、「カーンカーン」という、耳に響く金属を打つ音がするんですよね。
幹線道路沿いに住んでいると、たまに道の段差で荷台のあるトラック(特に平ボディ車)が事故でも起きたのかというぐらいの物凄い衝撃音を立てて通り過ぎることがあります。
少しはマシになりましたが。
【関連記事】:【解決】自宅前の道路陥没・段差で家が揺れる。補修依頼はどこにするべきか
とにかくこんな感じで衝撃音と言ってもいくつかあるのですが、いずれもかなりの不快音なのですね。
「耳を打つ音」。これがしっくりきます。
「振動音」について
振動音。航空機騒音や大通りのトラックや爆音改造車の騒音被害の経験がある方ならわかると思いますが、
- 家の戸や窓、置物が揺れる音
- 上の部屋や横の部屋から壁などの物体伝いに来る音
です。
「振動」と一口に言えばいいとなるかもしれませんが、実際違くて、自分での体感振動がなくても、音による微細な振動で窓が揺れることがあります。あと不安定なものが置いてあると、変な音を立てることがあります。これがこの記事でいう振動音です。
まあ不快です。
うちの場合はヘリが低空飛行で真上を通るとこれがほぼ起ります。もちろん家の窓や戸は閉め切った状態です。
でもこの前、その家の窓や戸を閉め切った状態で、簡易騒音計で測ったら60dbぎりいかないくらいだったので驚きました。これで60dbいかないのかと。(その時は偶然、飛行位置が家の真上ではなかっただけかもしれませんが)
その他には室外機もそうですね。
うちの場合、隣の部屋の暖房の室外機の音で、なぜか私の部屋の押し入れの扉が変な音を立てて微振動を起こします。その扉以外は揺れてないのです。不思議ですね。不快ですね。
さらにアパートマンション住まいだとこれまた問題なのが、何かを勢いよく置いたときや壁や床をたたきつけるような振動音。特に隣人トラブルではこの振動音が問題になるはずです。
これもデシベル計ではそこまで高くない。でも超絶不快です。
「突発音」について
いわゆる「急に来る音」や「急に大きくなる音」、「間隔をあけて発生し続ける音」などです。
「衝撃音」に関しては、この「突発音」の中に入るものと思ってます。
- 少人数の人の声
- 自動車騒音
- 上階の足音や物音
- 他「衝撃音」全般
この「急に鳴る音」「急に大きくなる音」っていうのは結構ストレスなのですよ。
自動車騒音も足音も間隔開けてなる音ですが、この音の抑揚というんですか、これがなかなか不快なのですね。
自動車騒音が特にひどいので例を挙げると、室内では最低値20dbから最高値70dbの抑揚が頻繁に行われるわけです。
もちろん50db以上の時点で抑揚が無くても普通の生活に障害ですがね。
とにかくデシベルだけじゃないよという事です。
生活への支障音と精神への支障音
もちろんデシベル値は大事です。
テレビの音、PCの音、スマホの音、会話。
これらを妨げるのは音の大きさのわけですから、その点ではデシベル値が必要になります。
実際家の前の工場で使うエアーの音や家の前の幹線道路の音、ヘリの音なんかは、窓が開いていたら会話すらも聞こえないくらいの音なので、これにはデシベルが必要でしょう。
これが生活する上で支障になる騒音という事なのでしょう。
ただ精神的に参ってしまう音というのが今回取り上げた音です。
デシベルは低くても精神的に参ってしまう音。
怒り、絶望、悲観からのストレス。そしてうつ病。もしくは身体的健康被害への移行。↓
【関連記事】:住環境悪化の影響は精神的にも身体的にも害である
【関連記事】:道路などの騒音による病気のリスクとノイローゼ。環境省の基準はどうなっている
デシベル値も大事だがそれだけでは騒音は理解できない
再度言いますがデシベル値ももちろん大事です。
もしデシベル値が高すぎる場合は、そこから行政や自治体、大家に報告して改善を促すこともできるでしょう。
ただそれは被害者内でのこと。
渦中にいない人や経験したことのない人は、「デシベル数=騒音度合い」と思っている人が多いと思うので、そこのところは注意と理解を求めたいところです。
そして何よりその基準を定める国や行政に見直してほしい部分です。
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