大通り・幹線道路沿いの家に住んでいると分かるが、雨の日のうるささ話一際ひどい。
今回、騒音計を使って一体どれほどうるさくなっているのかを晴れの日と比べる。大通り沿いに家を買おうとしている人にも知ってもらいたい。
測定
【晴れの日】 (50秒間) | |||||||||||||||
室内戸閉切 最大値db | 49.1 | 49.9 | 46.0 | 51.7 | 46.9 | 46.2 | 48.4 | 49.1 | 49.1 | 49.6 | 50.8 | 61.6 | 49.4 | 58.9 | 57.9 |
室内戸開放 最大値db | 65.0 | 67.3 | 64.2 | 64.6 | 61.1 | 58.6 | 67.3 | 66.2 | 63.5 |
【雨の日】 (50秒間) | |||||||||||
室内戸閉切 最大値db | 56.4 | 56.8 | 52.1 | 53.3 | 57.3 | 51.9 | |||||
室内戸開放 最大値db | 74.3 | 73.5 | 72.2 | 75.3 | 78.0 | 75.9 | 70.1 | 72.1 | 78.7 | 73.6 | 74.5 |
【追記】
雨の度合いによって、水溜り、道路の濡れ方が違うと騒音レベルも跳ね上がったのでここに追記します。
【雨の日】 道路の水多い場合 (50秒間) | |||||||||||||||
室内戸閉切 最大値db | 62.8 | 60.0 | 59.0 | 61.1 | 60.6 | 61.5 | 60.5 | 59.9 | 61.0 | 61.3 | 60.3 | 61.3 | |||
室内戸開放 最大値db | 81.3 | 76.6 | 78.2 | 80.0 | 79.5 | 82.2 | 77.4 | 74.8 | 77.0 | 74.4 | 80.2 | 81.6 | 79.6 | 80.8 | 77.2 |
※ここで一つ注意してほしいのが、これはあくまで「室内」での計測ということです。晴れと雨の違い以外には、戸を開けているか開けていないかの違いというだけで、あくまで両方室内で計測した値です。つまり本来測定するべき「境界での計測」になった場合、この値よりもさらに跳ね上がるというわけです。つまり、家の戸なんて開けていられないのです。
※もう一つ、ここでの表は「乗用車」のみの計測です。今回は、雨の日の比較なので、そこを重点的にやって来ました。大型トラックや工業用車、ゴミ収集車は、晴れでも70db台ですが、雨だからといって特別乗用車より跳ね上がるわけでもありませんでしたので、載せていません。ちなみに一部は以下に載せます。(これについてはまた言及すると思います。)
晴れ開放 | 晴れ閉切 | 雨開放 | 雨閉切 | |
普通車 | 61.9 | 57.2 | 78.7 | 68.4 |
中型運送車 | 70.9 | ー | ー | 63.6 |
中型工事用車 | 72.2 | ー | ー | ー |
ゴミ収集車 | 79.6 | 68.0 | ー | 61.9 |
大型トラック | ー | 60.9 | 81.9 | 69.9 |
(むしろ大型車の方が雨の日の騒音の跳ね上がり具合が抑えられているのです。トラックドライバーは雨の日はスピードを落としているからかもしれません。)
【結果】雨の日は倍以上の騒音地獄
さて、表を見て分かる通り、乗用車の雨の日の道路騒音は晴れている日よりも10~20dbほど大きくなっています。
これがどういうことか。
10db増えるという事は、音圧で3倍。20db増えると10倍になるといいます。
参考
『D.S.P コーポレーション株式会社 音の単位 デシベル(dB)|防音室に役立つ知識1』
https://dspc.co.jp/no-1/
換気扇や室外機の音から掃除機の音、トイレの洗浄音、セミの鳴き声に跳ね上がるという事です。雨の日野自動車騒音は、それほど騒音レベルが上がることになります。また、雨の日は基本70db超えです。雨の度合いによっては見ての通り80dbという普通の住宅では記録してはいけない数値にもなります。
しかも車が飛ばせば飛ばすほどうるさくなる。車の通りが多いほど騒音時間は長い。大通り・幹線道路沿いに住んでいる人間ほど、この被害が顕著なのです。
すでに住んでしまっている人
行政へ報告
余り期待できません。しかし、一番初めにやるべきことです。
振動などのように道路補修でどうにかなる問題でもなく、ほとんどの場合は路肩に防音壁を作ることもできませんから、行政に言ったところでという感じはあります。
ただ伝えることは大事です。行政に問題を提起しておくことに意味があるのです。しかも道路騒音は行政主体の公害ですから。
「厄介な苦情」「クレーマー」などと罵る無知な部外者もいますが、被害を黙って受け入れるのはただの奴隷と同じなので、民主主義なら現状改善のためにまずは訴えるべきです。自治会からでもいいので、伝えるべきかと思います。
ちなみにうちの前の道路は、速度制限はかけられていますが、それを無視する車ばかりです。しかし行政は速度制限の看板を立てていません。道路に書いてあるだけなのです。それについては、自治会の方から言う事になりました。看板があることで速度制限を認識しやすくなる期待があります。もちろん守らないやつは守らないのですけどね。自治会からはネズミ捕りも再三警察に言っているそうです。
おかげで夜中何回かは赤色灯をたいた車が外を通りがかるのをよく目にします。ただ違反者はそういうタイミングを見計らって違反しますので、正直あんまりですね。捕まったところを見たことないですから。どうせなら潜んで気付かれないように取り締まってほしいものです。交差点の隅で潜んでいる取り締まりの必要性はここにあったのだと思いました。
とにかく、まずは行政に言いましょう。
防音対策
エクステリアや模様替え、窓サッシの防音性の向上によって、多少マシになることがあるでしょう。防音は寝室だけが重要ではないです。
玄関では、人の話が聞こえなくなり、リビングではテレビの音に邪魔が入り、風呂屋便所では落ち着けず、ペットやお子さんがいればより敏感になります。
エクステリアや窓サッシでの防音設備設置の効果は期待できます。
二重窓(内窓)二重サッシにはどんな種類があるか。簡易度や大きさなどを調べまとめる
ただ根源を絶てるわけではありません。あくまで一つの方法として「防音設備」の設置をあげます。
引っ越し(難易度高)
根源を絶つためにはもう引っ越ししかないです。
「道路を閉鎖しろ」とは言えないので、もうこれしかないのです。
それは多大な費用が掛かりますね。正直、道路が後に出来た家にお住いの方だったら「実費で引っ越しなんて冗談じゃない」とお思いになるでしょう。私もそうなので。自動車騒音で立ち退きみたいに補助金みたいなものが出るわけもないですし。
結局一般的に現実的なのはエクステリア設置や窓サッシの防音向上でしょう。
リフォームで騒音源方向の窓をなくすという方法もありますが、リフォームもなかなか費用がすごいですからね。それに全体をリフォームするくらいなら引越ししたいものです。
今から買おうとしてる人へ
アドバイス「雨の日にこそ物件候補地の偵察を」
今、都市や家を買おうとしている人、引っ越しを考えている人は、いろいろな選ぶ基準はあれど、騒音面から考えると、夜ももちろんですが、雨の日の騒音検証を行った方が良いでしょう。
幹線道路でなくとも、車がそれなりに通るところや飛ばすところはあります。その走行音がどれほどの物か、確認しておくべきです。
雨の日に都合が合わないならこの記事を参考にしてください。表を見て、大体このくらい騒音が大きくなるというのはわかると思います。
幹線沿い住居はなるべく避けた方がいい
雨の日の騒音の最たるものが大通り幹線道路なので、大通り幹線通り沿いはやめたほうがいいです。
雨の日の騒音悪化のすべての要素が揃うのです。うるさいことこの上ないです。
他にも幹線沿いはやめた方がいい理由が
大通り沿いは悪い事ばかりで、正直住宅としてのメリットが全くありません。人の住む場所ではないのです。大通り幹線道路は雨の日の騒音以外でもデメリットだらけです。
まとめた記事があるのでそちらをご覧ください。
大通りや幹線道路沿いの家は止めた方が良い【デメリット一覧】揺れる・うるさい・入庫問題他多数
環境省の基準はどうなのか
騒音の基準をまとめた記事があります。
騒音の環境基準は何デシベルか。生活音・工場・鉄道他わかるだけまとめてみた
上の記事でもまとめましたが、
【騒音基準】
昼間 | 夜間 | |
療養施設、社会福祉施設等地域 | 50db以下 | 40db以下 |
住居用地域 | 55db以下 | 45db以下 |
住居+商工業等地域 | 60db以下 | 50db以下 |
住居用地沿いの2車線 | 60db以下 | 55db以下 |
主に住居地域の2車線及び 住居・商業・工業施設のある道路 | 65db以下 | 60db以下 |
幹線交通隣接地域 | 70db以下 | 65db以下 |
幹線交通隣接地域(屋内) | 45db以下 | 40db以下 |
【要請限度】
昼間 | 夜間 | |
a区域1車線 | 65db | 55db |
a区域2車線以上 | 70db | 65db |
b区域1車線 | 65db | 55db |
b区域2車線以上 | 75db | 70db |
c区域1車線以上 | 75db | 70db |
幹線道路 | 75db | 70db |
要請限度とは、この基準を越えたら行政に改善要請を出す基準となる値のことです。
これを見る限り、雨の日の騒音は余裕で超過しているわけですね。自動車騒音に朝も夜も変化なんてないわけですから。しかも晴れている日もトラックの騒音は超過しています。ごみ収集やの騒音は室内開放で79.4db行きますから。
ただし残念ながら、この基準には届かないようにうまいこと操作されるのです。というのも、この基準値は「騒音の瞬間最大値」ではなく、「等価騒音レベル」という平均値で計算されるからです。つまるところ、一日に100db騒音が数回、真夜中に数回起こったところで、平均値が基準以下なら改善要請も出来ず、行政もあぐらをかいて「基準内だから」と動くことはないのです。加えて、雨の日の天候は騒音測定には反映されないのです。うまいこと騒音値を抑えるような測定基準と方法になっているわけですね。
騒音は平均値で計算され値を抑え、とくに騒音のひどい天候や状況では計測値に反映されず、一番騒音が少なくなるような状況にして結果をあげてきます。
これが日本の騒音の取り組みです。
てなわけで、はっきり言いますが、大通りに面したところに住んでいる時点で救いがないのですよね。
ストレスと精神崩壊
騒音とは心身共に悪影響を及ぼします。
こちらも別記事(下記3つ)がありますが、とにかくイライラが止まらなくなります。それが騒音被害です。そして高血圧になり、脳や心臓病で死んでゆく。
もし身体的には影響が遅くとも、精神的には不安定になり、人間関係同居人との関係が悪化し、自制心も限界になっていきます。喧嘩が増えます。怒りの頻度が増えます。
きつい仕事から帰ってきても、そんな地獄の状況にいることになるのです。休める場所はなくなります。常に気を張る人生になります。
そんな時間を延々と続けていくとどうなるか。
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